2014.12.1
高齢者虐待対応力向上研修
11月19日,尼崎のアルカイックホールで研修の講師をしてきました。
高齢者虐待防止法をテーマに,介護施設職員・地域包括・行政の福祉課職員向けに行うものです。
兵庫県が主催ですが弁護士会と社会福祉士会が後援しているので,講師は弁護士会から担当を割り当てて派遣することになっていました。私の場合は(ちょっと遠いけど)尼崎になりました。今年7月から始まり,来年1月まで県内各地で行うそうです。
高齢者の虐待は,数で言えば圧倒的に養護者(つまり家族)からの虐待が多いですが,養介護施設従事者(つまり介護職員)による虐待は数は少ないものの対応が難しくなります。慎重に事実確認しなければ組織的隠蔽の可能性がありますが,あまり時間をかけすぎると被虐待者の救出が遅れることになります。また,発覚のきっかけが施設職員からの内部通報という場合がありますが,通報者が特定されず不利益にならないように行政が指導・介入していかなければなりません。
社会福祉士の講師の方(分担しながら研修を行いました)からは,施設内で虐待を防ぐためには「組織文化」が大事だという話がありました。虐待以前の不適切なケアについて,いかに組織内で声を上げて問題意識を共有し,話し合うことができるか。多分虐待問題に限らず組織内不祥事一般に言えることなんでしょう。自分も勉強になりました。
午前10時から午後1時まで介護職員向け,休憩挟んで午後2時から4時まで行政職員向け。まる一日講師をするのが,準備を含めて結構大変だということを思い知りました。